ミノキシジル外用薬ってたくさんあるけどなにが違う?
ミノキシジル外用薬の選び方を知りたい
こんな悩みに薬剤師がお応えします。
本記事で解説する4つのポイントを理解しておけば、たくさんあるミノキシジル外用薬の違いを見分けられ、悩まず選べるようになります。
ミノキシジル外用薬の選び方で大事なポイント4つ!
ミノキシジル外用薬を選ぶポイントして、以下の4点を抑えれば自分に合ったものを選べるようになります。
- ミノキシジルの濃度
- ミノキシジル以外の有効成分
- 価格
- 注意点
上記4つのポイントをひとつずつ解説していきます。
①ミノキシジル外用薬の濃度
日本で承認されたうえで市販されているミノキシジル外用薬の濃度は、基本的に1%と5%の2種類になります。
個人輸入品・海外製品を販売しているサイトなどで10%や15%などの取り扱いもありますが、オススメはできません。(※オススメできない理由は“④注意点”で解説しています。)
ミノキシジル1%
男性ももちろん使えますが、1%は主に女性で脱毛症に悩まされている方が使われます。
というのも、日本ではミノキシジル5%外用薬を女性に適用した臨床試験が行われていません。
そのため現在市販されているミノキシジル5%製剤の添付文書には、使用しないでくださいという項目に“女性”と記載があります。
医師の診断に基づく場合は1%に限りませんが、女性が市販で購入される際は1%の女性用発毛剤を選択しましょう。
ミノキシジル5%
現在国内で承認されているミノキシジルの最大濃度は5%になります。
男性で効果をより感じたい方はミノキシジル5%外用薬が選択肢にあがります。
5%がより効果を感じられる可能性があるという理由を示す一例を紹介します。
下記のグラフはミノキシジル外用薬でもダントツの認知度と売り上げを誇るリアップのデータで、ミノキシジル1%と5%を効果を比較したものになります。
以上のグラフから、24週後の毛髪数は5%の方が1%のと比べて約1.4倍ほど毛髪数が増えていることが分かります。
結論、1%と5%どちらのミノキシジル外用薬を選ぶべき?
まず前提として、女性は1%、男性は1%もしくは5%の選択肢があげられます。
効果をより実感したい男性はミノキシジル5%外用薬の方に軍配があがります。
ミノキシジルについてもっと知りたい方は以下の記事も併せてご参照ください。
②ミノキシジル以外の有効成分
ミノキシジル外用薬は基本的にミノキシジルが主成分ですが、他にも頭皮環境を保護する成分等が含まれている製品もあります。
発毛に着目するのであればミノキシジルだけが配合されている製品でいいのですが、肌が弱い方やフケなどの悩みがある方は頭皮環境を保護する成分等が含まれている製品を選ぶメリットがあります。
ミノキシジル以外にも有効成分が配合されている製品を紹介します。
リアップX5プラスネオ
リアップX5プラスネオの有効成分は以下の通りです。
成分 | はたらき |
---|---|
ミノキシジル5% | 毛包に直接作用し、毛母細胞を活性化して発毛、育毛効果を発揮 |
ピリドキシン塩酸塩 | 過酸化物質やフケの発生の原因となる皮脂の過剰な分泌を抑制し、頭皮環境を整える |
トコフェロール酢酸エステル | 皮脂の酸化防止作用や血行促進作用があり、頭皮環境を整える |
l-メントール | 頭皮のかゆみを緩和して清涼感を与える |
ジフェンヒドラミン塩酸塩 | 頭皮のかゆみをおさえ、頭皮を健康な状態に保つ |
グリチルレチン酸 | 抗炎症作用があり、頭皮を健康な状態に保つ |
ヒノキチオール | 殺菌作用により、フケの発生をおさえ、頭皮を健康な状態に保つ |
添加物:L-アルギニン、グリシン、1,3-ブチレングリコール、ジブチルヒドロキシトルエン、リン酸、エタノール
上記の成分表を見て頂いてわかる通り、ミノキシジル以外にも成分が6種類加わっています。
ミノキシジル以外の成分は表のはたらきをみて頂ければわかるように頭皮環境を整えることを目的としています。
リグロEX5 エナジー
リグロEX5エナジーの有効成分は以下の通りです。
成分 | はたらき |
---|---|
ミノキシジル5% | 毛包に直接作用し、毛母細胞を活性化して発毛、育毛効果を発揮 |
パントテニールエチルエーテル | 毛細胞に栄養を補給し、頭皮環境を整える |
ピリドキシン塩酸塩 | 過酸化物質やフケの発生の原因となる皮脂の過剰な分泌を抑制し、頭皮環境を整える |
トコフェロール酢酸エステル | 皮脂の酸化防止作用や血行促進作用があり、頭皮環境を整える |
l-メントール | 頭皮のかゆみを緩和して清涼感を与える |
添加物:エタノール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、BHT、酒石酸
ミノキシジル以外にも成分が4種類加わっており、リアップと同様に頭皮環境を整える成分が配合さていています。
以上のことから、成分で考える選び方としては以下の2バターンがあげられます。
かゆみやフケといった頭皮トラブルのある方:ミノキシジルに加えて頭皮環境を配慮した成分が配合された製品
③ミノキシジル外用薬の価格
ミノキシジル外用薬の市販価格は3,000円台~7,000円台が多いです。
上記で解説したミノキシジル以外にも有効成分が配合されているものは価格が高めな傾向があります。
一方で、有効成分はミノキシジルだけでいいという方にとっては3000円台から購入できるミノキシジル外用薬もあります。
以下の記事で各大手通販サイトで販売されているミノキシジル外用薬の価格をランキング形式で発表していますので、よろしければご参照ください。
④ミノキシジル外用薬を選ぶ際の注意点
個人輸入品・海外製品を選ばない
個人輸入品・海外製品を販売しているサイトなどで10%や15%などの取り扱いもありますが、オススメはできませんと前述しました。
その理由として、厚生労働省のサイトから一部内容を抜粋しました。
日本国内で正規に流通している医薬品、化粧品や医療機器などは、医薬品医療機器等法に基づいて品質、有効性及び安全性の確認がなされていますが、個人輸入される外国製品にそのような保証はありません。
日本国内で医薬品医療機器等法を遵守して販売等されている医薬品については、それを適正に使用したにもかかわらず重大な健康被害が生じた場合に、その救済を図る公的制度(医薬品副作用被害救済制度)があります。 しかし、個人輸入された医薬品による健康被害については救済対象となりません。
上記からもわかるように、国内で承認を受け正規に流通している薬を適正利用して万が一重大な副作用が発生した場合は医薬品副作用被害救済制度の救済対象となりますが、個人輸入等の薬は医薬品副作用被害救済制度が対象外となります。
個人輸入の方が価格も安く手に入るこがありますが、もしも重大な副作用が起きた場合は国内で買うよりも多大な費用が発生する場合があります。
したがって、個人輸入品・海外製品を販売しているサイトなどでミノキシジル外用薬を購入するのはお勧めできません。
してはいけないことに当てはまらないかチェックする
医薬品には必ず添付文書という医薬品を正しく適切に使用する際に必要な公的文書があります。
添付文書や商品の箱にはしてはいけないことや用法・用量、服用した際の効能などが記載してあります。
例として、リアップX5プラスネオの添付文書に記載してある“してはいけないこと”は下記の通りです。
してはいけないこと(’守らないと現在の症状が悪化したり,副作用が起こる可能性があります。)
1.次の人は使用しないでください。
(1)本剤又は本剤の成分によりアレルギー症状を起こしたことがある人。
(2)女性。本剤は日本人女性における安全性が確認されていないため,女性の方はミノキシジルを1%配合したリアップシリーズの女性用製品をご使用ください。
(3)未成年者(20歳未満)。国内での使用経験がありません。
(4)壮年性脱毛症以外の脱毛症(例えば,円形脱毛症,甲状腺疾患による脱毛等)の人,あるいは原因のわからない脱毛症の人。本剤は壮年性脱毛症でのみ有効です。
(5)脱毛が急激であったり,髪が斑状に抜けている人。壮年性脱毛症以外の脱毛症である可能性が高い。2.次の部位には使用しないでください。
(1)本剤は頭皮にのみ使用し,内服しないでください。血圧が下がる等のおそれがあります。
(2)きず,湿疹あるいは炎症(発赤)等がある頭皮。きず等を悪化させることがあります。3.本剤を使用する場合は,他の育毛剤及び外用剤(軟膏,液剤等)の頭皮への使用は,さけてください。また,これらを使用する場合は本剤の使用を中止してください。これらの薬剤は本剤の吸収に影響を及ぼす可能性があります。
引用:リアップX5プラスネオ 添付文書
してはいけないことの他に、相談することやその他の注意など複数の項目があります。
検討している製品で“してはいけないこと”に当てはまることがある場合は使用を控えてください。
もし当てはまったうえで利用し、万が一重大な副作用が起きても、適正利用ではないと判断され前述した医薬品副作用被害救済制度が適応にならない可能性があります。
医薬品は正しく使いましょう。
まとめ
ミノキシジル外用薬を選ぶ際に知っておくべきポイントは4点。
- ミノキシジルの濃度:ミノキシジルの濃度は1%と5%が主流。女性向けは1%しかない。効果をより実感したい男性は5%
- ミノキシジル以外の有効成分:発毛だけに着目するのであればミノキシジルのみを配合する製品でOK。頭皮環境も配慮するのであればリアップX5プラスネオなど
- 価格:ミノキシジル外用は3000円~7000円くらいと価格帯が広い。ミノキシジルのみであれば3000円台から買える
- 注意:点個人輸入品・海外製品はオススメしない。ミノキシジル外用薬を買う前に商品もしくは添付文書に記載してる注意事項を必ず読む。
以上が『【ミノキシジル外用薬の選び方】効果や種類、価格など4つにまとめて解説!』についての記事でした。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
なにか気になることがございましたらお気軽にお問い合わせください。
医薬品の効果の感じ方には個人差があります。
本記事はあくまでも合併症等もなく、心身ともに健康な状態である方向けの内容になっています。